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事例ピックアップ
ITによる生産の「見える化」が品質管理に大きく貢献 ~竹内工業株式会社~

  • ISO9000取得に向けての取り組みの中で新たな品質管理システムを構築
  • 更新しやすいホームページによる積極的な情報発信が、新規顧客開拓への足がかりに

プロフィール

竹内工業株式会社
企業情報
  • 企業名 : 竹内工業株式会社
  • 所在地 : 東京都墨田区八広2-59-2
  • 資本金 : 1,600万円
  • 従業員数 : 104人
業種

化粧品容器製造業

導入目的

工期短縮・スピード経営、既存事業の転換・新規事業進出

企業概要

竹内工業株式会社は、口紅容器をはじめとする化粧容器に特化して、機能開発、設計から組立、品質保証まで一貫した管理体制を敷いています。金属・樹脂の表面処理がコア技術で、品質には定評があります。

導入の背景と目的

化粧品市場の伸びが横ばいのため、化粧品容器においても大幅な市場の拡大は望めないうえ、顧客である化粧品メーカーのオーダーに応じて100%受注生産方式をとっているため、顧客の市場動向が受注量に直接影響し、生産設備の稼働率が左右されます。さらに、標準生産リードタイム以下の短納期要請が発生するため、先行生産が必要となり、デッドストックの可能性が常にあります。
顧客との継続的な取引関係を強化し、受注の確保と利益を向上させることは、継続的な課題です。同時に、顧客の動向に当社の業績を直結しない状況とするため、コア技術が適応できる新規事業、新規顧客を開拓する必要がありました。

IT化の概要

ISO9000取得に伴うIT化への取り組み

2002年からISO9000取得への取り組みをスタートさせ、同年取得しました。2004年からシステム構築に着手、2005年に各種データベース化を開始。2006年頃から効果が現れはじめています。現在はITによって「見える化」した業務の中で経営判断のスピードアップを図り、ビジネスチャンスを拡大しつつあります。IT活用は特に品質管理において大きな効果を発揮しました。

データベース活用による品質向上

従来は、製造部門と品質管理部門間の改善要求、改善指示および品質管理を紙ベースの文書で行っていました。ISO9000取得への取り組みの中で、これを改め、データベースとパソコンによる新品質管理システムを構築、運用しています。
生産現場にパソコンを導入し、改善要求、改善指示、確認、顧客へのクレームとその対応を電子化・データベース化。どの部門でも内容を把握できるようになりました。必要な情報はEメールで担当部署へ即時に届き、確実な改善実施のフォロー、製造工程間の協力が可能です。業務プロセスの再構築に成功し、品質向上、納期の厳守と短縮を実現しました。(図1)

データベース活用による品質向上

図1

ブログベースのホームページで情報発信しやすくなった

新規事業開発や新規顧客開拓には「わかりやすく見せる」をテーマとし、自社の技術力、得意領域、開発した新技術などをホームページで発信しています。現場で誰もが簡単に更新できるブログベースのホームページで、社員自ら自社技術をアピールできます。新規顧客開拓のためにより役立つ情報を、大量かつ頻繁に、安価で発信できる体制が確立しました。

導入効果

売上高が横ばいであるにも係わらず、経常利益は増加傾向です。品質改善活動中での業務改善、IT活用による原価の改善が要因です。
品質目標「納入ロット品質事故件数0.8%以下」が長年達成できず、0.85%程度で推移していましたが、新品質管理システム稼働後は0.49%となり、大幅に目標を上回り2007年にブログベースのホームページにリニューアルした結果、以前はゼロに等しかった新規顧客からのアクセスを、20件以上得ることができ、販路拡大の環境が整いつつあります。
事故処理における改善状況が「見える化」し、顧客への「改善回答書」の提出速度が向上。顧客の評価が上がりました。 品質情報をリアルタイムで共有できるようになったため、事故原因の「現行犯逮捕」が可能です。従来のバッチ処理では後工程でトラブルを知らされても、前工程はすでに終了していましたが、新システム構築後は情報をリアルタイムで取得できるため、即時に前工程の見直しが可能になっています。
ホームページをブログの集合体として作成するという新たな試みが成功し、ホームページ更新件数が月平均6件以上と、活発化しました。バックボーンとなる生産技術開発・考案も自然と活発化しています。

今後の課題と展望

製品設計、作図、生産標準類のIT化はすでに実施できています。しかし、新技術開発のための最新情報の活用、商品開発のための市場ニーズ収集などにおいて、未だIT活用が不十分です。
これらの課題を解決するため、既存システムを再検討。システム改善や拡張が重くなりがちなオフコンから、各自の能力を発揮しやすいパソコンでリアルタイムベースの社内ネットに再構築する必要があります。また、現在実施中の「見える化」を「見せる化」まで進め、海外の市場を視野に入れた営業活動を展開します。さらに、新技術開発によって創出した新商品の販売チャンネルをネットに構築していく考えです。

IT経営推進を支援した方々

ITコーディネータ ITCイースト東京 清水 幹雄
システムベンダー 日本オフィスシステム株式会社 東京都中央区